サクラ葉エキス

 

sakura_1.jpg

サクラは、バラ科サクラ属サクラ亜属の主として落葉高木の総称で、おもに北半球の温帯と暖帯に分布しています。日本のサクラには、ヤマザクラやオオシマザクラ、エドヒガンなど10種類ほどの自然種を基本として、数百種の野生種や栽培品種があるとされています。観賞用として全国で植樹されているソメイヨシノは、エドヒガン P. pendula Maxim. f. ascendens (Makino) Ohwiとオオシマザクラ P. lannesiana (Carr.) Wilson var. speciosa (Koidz.) Makinoの自然交配種であるといわれています。

 

サクラの葉にはイソフラボンのプルネチン、その配糖体のプルネトリン、フラボノイドのイソクエルシトリン、およびクマリン配糖体のメリロートサイドが、樹皮にはフラボノイドのサクラネチン、ゲンカニン、その配糖体のサクラニン、グルコゲンカニンなどの成分の存在が報告されています。樹皮は桜皮と呼ばれ、日本の民間薬として解毒、鎮咳薬、去痰剤、腫れ物、じんま疹などに利用されています。桜皮より製したエキスはbrocin(ブロチン)の名で鎮咳去痰剤として製品化されており、その薬理効果はフラボノイド配糖体によるものと考えられています。

 

ほかに、花の塩漬は桜湯として祝い事に、葉は桜餅を包むのに利用されています。また、ヤマザクラやオオヤマザクラなどの心材は昔から建築材、器具材、版木などに、樹皮は細工物の材料として用いられてきました。

 

サクラ葉エキスは、ソメイヨシノPrunus yedoensis Matsum.の葉から得られたエキスです。スキンケア製品に配合した場合は肌荒れ改善作用やかゆみの改善、ヘアケア製品に配合した場合には育毛作用が期待できます。

sakura_2.JPG