廃棄されていたオリーブの葉と搾油残渣が、美容と地域を支える新たな資源に

弊社研究員・宮内が継続して取り組んでまいりました、綾瀬市産オリーブに関する育毛効果の研究についての論文が、このたび完成し、2025年8月1日付で学術誌『New Food Industry』にて掲載されました。

 

これまで、オリーブの栽培やオイルの製造過程で発生する「搾油残渣(オイルを絞った後のかす)」や「葉」の多くは、肥料として一部活用されるものの、その大半が廃棄され、潜在的な価値が活かされていませんでした。しかし、これらにはポリフェノールやビタミンなど、美容や健康に有用な成分が豊富に含まれています。

 

今回、早稲田大学と神奈川県立産業技術総合研究所、近代化学株式会社の共同研究では、神奈川県産のオリーブ未利用資源から抽出した成分が、高い抗酸化作用とポリフェノール含有量を示し、さらに毛髪の成長を司る「毛乳頭細胞」の増殖を促進することを確認しました。これにより、スキンケアや育毛などの高付加価値化粧品への応用可能性が明らかになりました。

 

この成果は、これまで廃棄されていた副産物を付加価値の高い化粧品原料へと生まれ変わらせる道を開くものであり、廃棄物削減による環境負荷低減に加え、地域農業の収益向上や新産業の創出など、地域経済の活性化にもつながります。神奈川県の小規模オリーブ農家にとって、新たな販路と価値をもたらす可能性があります。

 

また、同じく宮内による海老名市産イチゴの育毛効果に関する研究論文も、以下よりご覧いただけます。こちらも併せてぜひご一読ください。

▼オリーブに関する論文(New Food Industry)

http://www.newfoodindustry.com/2025/2508.html

▼イチゴに関する論文(Food Science and Technology Research)
https://doi.org/10.3136/fstr.FSTR-D-24-00060